鼈の独り言(妄想編)

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ウェンティゴ症候群 ~姿の見えない精霊が導く人肉食病~

 本日極夜の下の街でしばらく滞在する紀行番組を見ていたがその中で極夜で暮らす人は自殺率が上がると放送されていた。この情報でまた妙な感覚が刺激されたので今回は「ウェンディゴ症候群」を考察したい。

 ウェンディゴとはカナダ北部の先住民に信じられていた精霊で姿をみることが出来ない。一人でいる人や一人旅の人に近づき付きまとう。近づかれた人はウェンティゴの姿を見ることは出来ないが気配を常に感じることになる。そのような状態がしばらく続きそのうちウェンティゴは小さな言葉にならない声で話しかけてくるようになるという。ウェンティゴ自身はこれ以上の危害を加えないのだが付きまとわれた人はその不気味さのあまり自分がウェンティゴになってしまうという不安に駆られそのうちウェンティゴの気配に心が支配されてしまうと人肉を食べたくなる衝動に駆られてしまうという。この状態に陥った人は普通の食事を一切受け付けなくなり意思の疎通や日常の身だしなみも行わなくなる。最終的には自殺したり処刑されてしまうという。

 このウェンティゴに取り憑かれた人を特定の地域、文化、民族内で発生する精神疾患としてウェンティゴ症候群と呼ぶ。原因としては冬期のビタミン不足、極夜による身体バランスの欠如などが上げられる。治療方法は患者にスプーン一杯の動物の脂肪を与えると治ると言われている。実際に視聴した番組では鱈の肝臓から取られた肝油をビタミン不足を補うという目的で摂取していることが紹介されていた。

 番組で紹介された街はロングイヤービエン、このブログでも何度か名前が出てきている北大西洋のスピッツベルゲン島にある町で番組ではトナカイの姿が写されていたがホッキョククマも生息していることが紹介されている。スピッツベルゲン島ではトナカイは定住しているが大陸に住むトナカイ(カナダ圏ではカリブーと呼ばれる)は季節によって移動する動物であり冬期は居なくなってしまう地域もあると思われる。そしてホッキョクグマはさほど移動しない動物であるがホッキョクグマの肝臓はビタミンAが過剰に含まれ人間が食べると過剰摂取により中毒を起こすことが知られていてその他の臓器も含まれる酵素などで長期保存が難しいものが多い。主な狩猟動物であるカリブーとホッキョクグマが居なかったりビタミンが豊富な内臓が食用に適さないとなるとビタミン不足に陥る可能性は高いと言える。
 ビタミン不足で不安定な精神環境に陥るのはなんとなく分かるがそこからカニバリズムに陥るのは何故だろうか。想像力を膨らまして妄想してみると過去に飢餓により人肉食に走ってしまった人が居たのかもしれない。その人物の犯した人肉食をその人の世にせず姿が見えない「ウェンティゴ」という精霊のせいにした可能性は高そうである。そうして人喰いを促す精霊となったウェンティゴの恐怖がウィンディゴ症候群を生み出すことになった…。そんな感じがする。

 ビタミン不足の認識と流通状況が発達した現在、ウェンティゴ症候群の発症は報告されていないようである。しかし食生活の欧米化が進み生鮮食料が近くで調達できない環境ではまたビタミン不足に陥ってしまう可能性も指摘されている。ウェンティゴは今は態を潜めているが再び地上に出る日を待っているのかもしれない。

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by narutyan9801 | 2018-01-20 01:49 | 妄想(病気) | Comments(0)