鼈の独り言(妄想編)

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陸上自衛隊機乗り逃げ事件 ~前代未聞の飛行機乗り逃げ事件~

 酒を嗜むものは大小の程度あれど酒が過ぎて失敗をやらかした経験があると思う。軽微なものであれば「酒が度を過ぎた」で済まされるが刑法に抵触するようなことに発展する場合もある。今回は「度を過ぎた」では済まされない「陸上自衛隊機乗り逃げ事件」を考察したい。

 昭和48年(1973年)年6月23日午後9時頃、栃木県宇都宮市にある陸上自衛隊北宇都宮駐屯地の滑走路から突如一機の飛行機が離陸を始めた。すでに空港には人はおらず、制止する間もなく飛行機は離陸、南に飛び去ってしまう。突然の事態に駐屯地内は騒然となり直ちに隊員の点呼と飛び去った飛行機の特定が行われた。その結果駐屯地飛行場に駐屯していた航行学校宇都宮分校所属整備士の三等陸曹の行方が分からず、格納庫の扉が開かれ、中に駐機していたLM-1連絡機が消えていたことが判明し、この三等陸曹が操縦して飛び立ったと思われたのである。

 三等陸曹はこの日酒を飲んでいたと言われており、酒に酔った三等陸曹が飛行機を操縦したいという衝動に駆られ、非常時に備えて施錠せず閂をかけただけの格納庫の扉を開きそのまま飛び立ったのではないかという推測がされた。
 しかし三等陸曹は整備員であり正規の操縦訓練を受けてはいない。整備士として搭乗を行ってはいるが乗り逃げの機体であるLM-1への搭乗は合計で2時間強であり見よう見まねで操縦を行えたとしても酒が入った状態でベテランパイロットでも難しい夜間離陸と低空飛行を行えたかはかなり疑問が残る。

 宇都宮を離陸したLM-1はその後も低空飛行を続けたらしくレーダーでの捕捉は出来なかった。無線連絡も応答が無く、搭載されていた燃料が尽きる5時間20分後までに着陸したという情報は得られなかった。この間1300kmの飛行が可能で、カタログ上では北はサハリン、北方領土、西では北朝鮮、南西であれば奄美大島、南であれば硫黄島まで到達できる距離である。自衛隊は翌日から一ヶ月にわたり行方不明機の捜索を行ったが、手がかりは全く掴めなかった。その後も乗り逃げされた機体、三等陸曹の行方は全く不明のままである。

 それにしても酒に酔った人物が警戒が厳重(と思われた)自衛隊基地内を誰にも気づかれずに格納庫まで到達し、飛行機を動かせたという事は驚愕ではある。この事故を巡り関係者の管理不足が指摘され処罰が行われている。当の三等陸曹は行方不明のまま懲戒免職処分になっている。
 しかしこの事件、件の三等陸曹が乗り逃げしたという客観的な証拠は見つかっておらず、ただ飛行機と三等陸曹が同時に消えてしまったという事だけからの「推測」である。もしかしたら真実はもっと複雑怪奇なものである…可能性はあるかもしれない…。

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飛び去ったLM-1の飛行可能範囲(赤丸の内側)実際は空気抵抗の高い低空飛行をしたため燃料消費が大きく、到達可能地域はこれよりも小さくなると思われる。この範囲のどこかに今もLM-1は眠っているかも知れない。
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by narutyan9801 | 2013-09-23 09:47 | 妄想(事件・事故) | Comments(0)